本研究は半側空間無視(損傷対側の環境、身体への応答の低下)の動物モデルを確立することを目的とする。この目的のためにマカクザル右上側頭回に損傷を加え、術後の行動を評価したところ、タッチパネルを用いた視覚選択課題、および自由視課題による視線計測の結果、空間無視の症状が1ヶ月以上持続することが明らかになった。以上によって半側空間無視のモデル動物の確立に成功した。またこの動物で機能的MRイメージングを行うことによって、麻酔下で安静時BOLD活動を記録した。機能障害と注意ネットワークの機能的結合が損傷後の障害と機能回復と相関していることを明らかにした。
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