研究課題/領域番号 |
25430023
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
木下 正治 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60599083)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 盲視 / 視床枕 / 上丘 / マカクザル / 遺伝子導入 / サッケード / ウイルスベクター |
研究実績の概要 |
平成26年度は昨年度から継続して1頭目の盲視モデルサルでの実験を継続し、さらに2頭目の盲視モデルサルについても同様の実験を行った。 片側第一次視覚野を除去された盲視モデルサルに対して、逆行性ベクター(HiRet)を視床枕に、さらに順行性ベクター(AAV)を上丘に注入する二重遺伝子導入法を用いて上丘-視床枕経路に選択的に破傷風毒素遺伝子の導入を行い、その後ドキシサイクリン(Dox)の経口投与を開始して上丘-視床枕経路の選択的神経伝達遮断を試みた。損傷視野に提示した視覚刺激に視線を向ける視覚誘導性サッケードタスクをサルに行わせ、Dox投与前と投与中のサッケードタスクに対する成績を記録した。平成25年度には1頭目に対して1度目のDox投与までを行った。平成26年度は1頭目のサルに対して2度目のDox投与と行動課題を実施し再現性を調べた後、灌流固定し脳組織標本を採取した。さらに平成26年度は2頭目についても同様の実験を開始し、再現性の確認を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2頭目のサルは1頭目のサルとは異なる施設で実験を行わざるを得なかったことに関連し、実験の時期などを多少変更する必要が生じたが、2頭目についても既に訓練済みのサルを使用することが出来た結果訓練期間の短縮ができたので、全体の進行としては概ね順調である。
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今後の研究の推進方策 |
基本的に当初の研究計画に沿って実験を行う。2頭の実験から得られたデータの解析を行うとともに、組織標本の解析を行う。また実験系の改善を行い追加的なデータの採取を行う。これらのデータをまとめて学会発表および論文投稿など成果発表に向けた準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験実施施設の変更に伴い実験計画に軽微な変更が生じ、購入物品の再検討の必要が生じた。その再検討にやや時間を要したため一部物品の年度内の購入に至らなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度中に購入予定であった物品の再検討を行ったので、次年度使用額については再検討結果に基づいて使用する。具体的には追加データの取得に向けた実験系の改善のために使用する。
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