研究課題/領域番号 |
25430034
|
研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
伊藤 哲史 福井大学, 医学部, 助教 (90334812)
|
研究分担者 |
池田 弘 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80377473) [辞退]
村瀬 一之 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40174289)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | in vivo calcium imaging / c-fos / juxtacecellular staining |
研究実績の概要 |
本年度、研究費申請時に計画した3つの実験全てについて進捗があった。 実験1「in vivo カルシウムイメージングによる下丘神経回路網の音刺激に対する応答の解明」について、前年度に競合グループによる類似研究の存在を確認したため、当初の研究を前倒しし、論文投稿を行い、無事に受理された(Ito et al., 2014, Brain Res)。この論文において、下丘表層神経回路は低い周波数の音や、広帯域雑音に対する選好性を有することや、一部にトノトピー構築があることを明らかにした。なお、この論文投稿中に研究分担者の池田弘博士が急逝されるという悲しい出来事があったが、研究分担者を池田弘博士の共同研究者の村瀬一之博士に引き受けて頂き、池田博士の指導を受けていた大学院生達も士気高く研究を続けていることは不幸中の幸いである。 実験2:「神経活動依存性分子発現を用いた下丘ニューロンの刺激選好性解析」について、音圧の大きい条件ではc-fosの発現パターンに変化が見られる、という興味深いデータが得られたため、この現象について深く掘り下げていきたい。 実験3: 「下丘単一ニューロンの機能形態学」について、計60個の細胞について近傍記録染色法によって標識することができた。また、このデータをもって北米神経科学学会でポスター発表することで、同業者からの重要な示唆を得ることができた。これを参考に今後の解析の方向性を決めることができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
上述したとおり、実験1については3年間の研究計画を前倒しして、論文発表まで行うことができ、当初の予定を完了することができた。残りの実験についても順調に進んでいることや、招待講演を含む多数の研究発表を行うことができた点から、全体として当初の計画以上に進展していると判定した。
|
今後の研究の推進方策 |
最終年度は実験3のデータ解析を主に行い、論文の骨子を作るのが目標である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
村瀬研究室では2015年度に従来の所属学生に加え、旧池田研究室の学生を引き受けることになり、研究費の不足が予想されたため、5万円を2015年度に繰り越すことで研究費を補うこととした。
|
次年度使用額の使用計画 |
イメージング用試薬 5万円
|