研究課題/領域番号 |
25430045
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
川崎 能彦 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 助教 (00322751)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 軸索ガイダンス |
研究概要 |
Conditional KOマウス系統の作製;目的の軸索ガイダンスシグナルをになう遺伝子について、Cre/loxPシステムを用いたConditional KOマウス系統の作製を進めた。ES細胞における組換えを確認した後、キメラマウスを作製し、ヘテロマウスを得た。 Conditional KOマウス系統の評価;作製したマウス系統を全身でCreリコンビナーゼを発現するマウスと交配して、デザインした通りに目的の遺伝子の機能破壊が起こることを確認した。 嗅球の投射神経細胞で目的の遺伝子を特異的に欠失させたマウスの作製と解析;嗅球の投射神経細胞で特異的にCreリコンビナーゼを発現するマウスとして、Pcdh21-CreマウスとAP-2ε-Creマウスの2系統のマウスを用いた解析を進めている。この2系統のマウスはCreの発現開始時期や発現量が異なることが予想されるので、Cre依存的にLacZを発現するリポーターマウスを用いて、Creの発現パターンや活性を確認した。両マウス系統におけるCreの発現時期、発現領域、発現強度には幾つかの違いが認められることや、嗅球以外でのCreの発現も認められることから、2つの系統を使って解析する必要性を再確認した。これらのマウス以外に、ポジティブコントロールとして嗅球や嗅球の投射領域を含む終脳全域でCreを発現するEmx1-Creマウスも用意した。その後、これらの特異的にCreを発現するマウス系統をConditional KOマウス系統と交配して、目的の軸索ガイダンス分子を特異的に欠失させたマウスを作製した。これらのマウスの一部では予想した通りの表現型異常が認められることから、このマウス系統を用いて目的通りに研究を進めることが出来るという見通しが立った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り、1年目でマウス系統の作製と、作製したマウスを用いたConditional KOの見通しが立ったことから、順調に研究が進んだと言って良い。
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今後の研究の推進方策 |
作製したConditional KOマウスの表現型について、in vivoとin vitroの両面から解析する。in situ hybridizationや、抗体染色、軸索トレーサー各種を用いた形態的な解析とともに、コラーゲンゲルを用いた培養アッセイなどを行うことを計画している。 また、代表的な匂い分子を用いて嗅球特異的に遺伝子を破壊したマウスの匂いの検知・識別能力を調べる。まずは基本的な匂いの感知能力について解析を行うことを計画している。検知や識別可能な匂いの濃度の閾値や、識別に要する時間を計測する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
購入を計画していた遺伝子改変マウスの搬入が遅れているため、その購入金額を次年度に持ち越した。 26年度の前半には目的のマウスが搬入されるため、予定通り予算を執行できる。
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