研究課題
作製した遺伝子改変マウスの評価:2種類の軸索ガイダンス分子について作製したConditional KOマウス系統を、全身や終脳特異的にCreリコンビナーゼを発現するマウスと交配し、得られたマウス胚の表現型を解析した。これらのマウス胚では、単純な遺伝子破壊マウスとほぼ同様の異常が嗅覚中枢神経回路に生じていることを確認した。新皮質や小脳皮質における異常の有無、目的遺伝子の発現パターンの変化などを解析して、作製した2系統のConditional KOマウス系統はデザインした通りにCreリコンビナーゼ活性依存的に遺伝子が破壊されることを確認した。嗅球特異的な遺伝子破壊:作製したConditional KOマウス系統を、嗅球の投射神経細胞特異的にCreリコンビナーゼを発現する2系統のマウス(Pcdh21-CreマウスとAP-2ε-Creマウス)と交配し、得られたマウス胚の表現型を解析した。その結果、全身で遺伝子を欠失させたマウス胚と比較して、嗅覚中枢神経回路に生じる異常がマイルドな胚が多く含まれることを確認した。この結果は、Pcdh21-CreマウスやAP-2ε-Creマウスでは、マウス胚の嗅球投射神経細胞におけるCreリコンビナーゼの活性が十分でないことを示唆していた。そこで計画を変更して、テトラサイクリンを介した遺伝子発現誘導システム(Pcad21-tTAマウスおよびtetO-Creマウスの併用)を導入して嗅球投射神経細胞におけるCreリコンビナーゼの活性を増強することを試みた。しかしながら、これらのシステムも嗅球の投射神経細胞では上手く機能しないことが明らかとなった。その原因を探る中で、嗅球の投射神経細胞の多くではtetO-Creマウスのテトラサイクリン応答配列(tetO)がエピジェネティックな抑制を受けてことを強く示唆する結果を得た。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件)
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