筋萎縮性側索硬化症(ALS)と前頭側頭型認知症(FTD)に共通する遺伝子変異としてC9orf72(C9)第1イントロンのGGGGCCリピート異常伸長が同定されたが、神経細胞死の発症機序は明らかでない。本研究ではC9変異を持つALS(C9ALS)の公共データを再解析して病態に関与している分子ネットワークを調べた。C9ALS iPSC由来運動ニューロンでは細胞外基質(ECM)遺伝子群の発現低下を認め、C9ALS頸髄運動ニューロンではアクチン細胞骨格制御遺伝子群の発現異常が見られた。C9リピート異常伸長はECMや細胞骨格のホメオスタシスの破綻を来して、神経細胞死を誘導している可能性がある。
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