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2014 年度 実施状況報告書

脊髄性筋萎縮症SMAと筋萎縮性側索硬化症ALSに共通するRNA代謝異常

研究課題

研究課題/領域番号 25430055
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

築地 仁美  名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 講師 (40455358)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード筋萎縮性側索硬化症 / RNA代謝
研究実績の概要

筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis, ALS)は、成人発症の運動神経変性疾患であり、進行性に運動ニューロンのみが変性し脱落し、発症後3-5年で死に至る神経難病である。有効な治療法がなく、早急な発症機構解明と治療法開発が求められている。我々は、昨年度までに、小児発症の運動神経変性疾患である脊髄性筋萎縮症SMAとALSの共通性を発見し、両疾患患者の変性運動神経細胞において、スプライシングをになう本体であるスプライソソームの異常があること、核内構造体であるGEM小体が消失していることを見いだした。更に、変異が家族性ALSを発症させるRNA結合蛋白質であるfused in salsoma (FUS, also refferd as TLS)の機能解析を行った。FUSに変異が導入されることによるRNA代謝異常の原因を探るため、変異によるFUSの細胞内局在の変化を観察した。20種類以上の変異に対して解析したところ、核から細胞質への移行が見られる変異体が多く、更にRNA顆粒への取り込み率が上昇する変異体が多かった。しかしALS患者の発症年齢との相関はなく、そのFUSの局在変化の重要性は以前不明である。一方、変異FUSを神経細胞へ発現させたトランスジェニックマウスを作成したところ、生存率の低下と体重減少が観察された。更に、脊髄運動ニューロンの変性が観察された。現在、ALS患者運動ニューロンで観察されたRNA代謝異常がないか検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初計画した実験は順調に進み、小児発症の運動神経変性疾患である脊髄性筋萎縮症SMAとALSの共通性を発見し、両疾患患者の変性運動神経細胞において、スプライシングをになう本体であるスプライソソームの異常があること、核内構造体であるGEM小体が消失していることを見いだし、学術論文として発表した。

今後の研究の推進方策

変異FUSを神経細胞へ発現させたトランスジェニックマウスを作成したところ、生存率の低下と体重減少が観察された。更に、脊髄運動ニューロンの変性が観察された。今後は、ALS患者運動ニューロンで観察されたRNA代謝異常がないか検討中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)

  • [学会発表] 筋萎縮性側索硬化症ALSにおけるスプライソソーム異常2015

    • 著者名/発表者名
      築地仁美
    • 学会等名
      日本薬学会第135年会
    • 発表場所
      神戸学院大学
    • 年月日
      2015-03-26
    • 招待講演
  • [学会発表] Defects in RNA Metabolism in Neurodegenerative Diseases2014

    • 著者名/発表者名
      Hitomi Tsuiji
    • 学会等名
      第37回日本神経科学大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2014-09-11
    • 招待講演
  • [学会発表] Region-specific changes in gene expression in transgenic TDP-43 mouse displaying impaired memory2014

    • 著者名/発表者名
      Hitomi Tsuiji, Ikuyo Inoue, Asako Furuya, Koji Yamanaka
    • 学会等名
      The Nineteenth Annual Meeting of the RNA Society
    • 発表場所
      ケベック、カナダ
    • 年月日
      2014-06-03 – 2014-06-08

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公開日: 2016-05-27  

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