研究課題
基盤研究(C)
申請者らが作製したクラスII ARFノックアウトマウスは強い振戦を示す。本態性振戦の患者に投与されるβ遮断薬や抗てんかん薬を本マウスに投与したところ、振戦が減弱される傾向を示すことが分かった。また、多動性、常同行動を示すことも明らかになった。解剖学的な解析をした結果、スパインの形状に変化があることが分かった。また、マイクロアレイによる解析の結果、分泌関連遺伝子や線条体に発現する遺伝子が増強されていた。生理学的には、脳波解析の結果、振戦に伴う異常脳波が見られた。CAPSファミリータンパク質に関するKOマウスの解析を行った。CAPS1 conditional KOマウスの解析により、CAPS1タンパク質がゴルジ体からの有芯小胞トラフィッキングに関与し、小脳登上線維においてはBDNFの輸送・分泌不全による形質が発現することを明らかにした。また、CAPS2ヘテロマウスが自閉症様の様々な形質を発現することを見出した。これらは以下の論文において発表を行った。Sadakata et al.Journal of Neuroscience. 33 (44), p17326-17334 (2013)Sadakata et al.International Journal of Environmental Research and Public Health, 10 (12), p6335-6353 (2013).Sadakata et al.FEBS Letter. 587(1), p54-59 (2013)
1: 当初の計画以上に進展している
クラスII ARFノックアウトマウスに関しては、薬理学的な解析、行動学的な解析、生理学的な解析の他、マイクロアレイを用いた遺伝子解析で有意義な結果を得ている。CAPS1 conditional KOマウスの解析では、CAPS1タンパク質がゴルジ体からの有芯小胞トラフィッキングに関与し、小脳登上線維においてはBDNFの輸送・分泌不全による形質が発現することを明らかにし、すでに論文発表を行った。
クラスII ARFノックアウトマウスに関しては、薬理学的な解析、行動学的な解析、生理学的な解析、マイクロアレイ解析をさらに詳細に行い、統計的な検討を行った上で、包括的な解釈を行い、さらなる作業仮説を検討し、研究を進めていく予定である。
平成26年度に多額の研究費が必要となるため、平成25年度は節約して使用した。平成26年度はクラスII ARF KOマウスの多角的な解析に研究費を投じる予定である。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)
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