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2014 年度 実施状況報告書

血管安定化タンパクAng1を介した脳梗塞の血管保護療法確立に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 25430063
研究機関新潟大学

研究代表者

高橋 哲哉  新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (20515663)

研究分担者 下畑 享良  新潟大学, 脳研究所, 准教授 (60361911)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード血管保護 / 脳虚血 / アンギオポエチン
研究実績の概要

平成26年度には以下の項目について検討を行った。
1. Ang1様作用を示す薬剤を脳虚血時に投与し、作用をもつ適切な投与量を検討する
2.上記の薬剤の投与による脳虚血、特に組織プラスミノゲンアクチベータ(tPA)使用時の効果を確認する
我々が実験に用いたラット自家血栓による脳梗塞モデルでは、血栓溶解薬であるtPAを投与することで血流が回復し脳梗塞体積の縮小が得られるが、脳虚血作成からtPA投与までの時間が長いと脳出血を惹起し機能予後が悪化する。この状態のラット(tPA4時間群)では血管でのAng1発現が強く低下していること、脳出血や脳浮腫とも相関していることを平成24年度に明らかにしたが、これを改善させるためにAng1作用を増強させることが可能かどうか検討した。
tPA4時間群に対して組換えAng1蛋白を静脈的に投与したところ、Ang1は血管周皮細胞に取り込まれており、組み換えAng1蛋白を投与しない群と比較して脳出血や脳浮腫がいずれも改善した。組み換えAng1蛋白はtPAを併用した脳虚血治療において新たな治療薬となる可能性を示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初今年度および次年度の予定として計画した、Ang1様作用を示す薬剤の作用の検討、とくにtPA使用時の効果について、至適容量の決定も含めて順調に進めることが出来ている。
予定していた薬剤の1つであるAng1シグナルを増強する受容体刺激薬COMP-Ang1についてはtPA投与後の出血や浮腫に対する効果を示すことが出来た。

今後の研究の推進方策

昨年度と今年度の結果から、脳虚血後のAng1の血管保護作用が明らかになり、Ang1を標的とした治療薬についても部分的に効果があることが示された。このため、予定していたAng1様作用を示す薬剤の脳虚血への効果の検討を毛属する予定である。具体的には平成25年度に使用した組み換えAng1蛋白以外のAng1作用を増強させる薬剤の使用の検討、またその効果については出血と浮腫に加えて回復期の血管新生や機能改善についても検討する。

次年度使用額が生じた理由

平成25年度に、実験動物の供給元が事前に予測できない設備変更を行ったため、供給が不十分となった。このため平成25年度に実行できなかった実験の一部を平成26年度に行い、平成26年度の一部予定していた実験が行えなくなったため。

次年度使用額の使用計画

平成26年度予定して一部実行できなかった実験についてはそのまま問題なく平成27年度に実行可能と考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Effects of angiopoietin-1 on hemorrhagic transformation and cerebral edema after tissue plasminogen activator treatment for ischemic stroke in rats.2014

    • 著者名/発表者名
      Kawamura K, Takahashi T, Kanazawa M, Igarashi H, Nakada T, Nishizawa M, Shimohata T
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 9

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0098639

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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