神経細胞のシナプス前終末形成時における局所翻訳の役割を検討する目的で、まず、シナプス前終末形成時に軸索に集積するタンパク質を同定した。そのうちの多くはRNA結合タンパク質である脆弱X精神遅滞タンパク質 (FMRP) のターゲットであった。次に、これらのタンパク質のうちの一つ、Munc-18のシナプス前終末への局在を検討したところ、FMRPと相互作用するタンパク質であるArgonaute2 (Ago2) の挙動と対応していた。従って、FMRP-Ago2複合体がMunc-18をシナプス前終末形成時に局所翻訳により制御する可能性がある。
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