月経随伴性てんかんの発症機序解明を目的に、てんかん発作に及ぼすエストロゲン(E2)のHCNチャネルとAMPA受容体GluR2制御機構について検討した。その結果、ピロカルピン誘導てんかん発作では、海馬細胞膜上のHCN1チャネルとGluR2サブユニットのタンパク量が低下することが分かった。さらにE2は、ピロカルピン投与によるGluR2のSer880のリン酸化上昇を阻害し、ピロカルピンによるてんかん重責発作の閾値を上昇させ、死亡率を低下させることが分かった。ところが、E2は重責発作の頻度を上昇させる作用も有していた。これはE2による神経活動の増加とh電流の阻害効果に起因している可能性が考えられる。
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