小脳入力神経回路群の一つを構成する橋核神経細胞とその標的である小脳顆粒細胞との間の特異的シナプス結合を担う分子を探索し、細胞接着因子cadherin-7(Cdh7)を同定した。Cdh7は標的認識と軸索伸展終了の両方の機構を制御することで、これらの神経細胞間の特異的なシナプス接続を確立する重要な役割を持つことが明らかとなった。また、小脳入力神経回路群では複数のcadherin分子が回路特異的に発現しており、これらの分子の発現のON/OFFが回路の接続特異性を決定する重要な要因であることがわかった。さらに、発現解析などによってこれらのcadherin分子の上流発現制御因子の候補を複数同定した。
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