研究課題/領域番号 |
25430074
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
奥田 隆志 慶應義塾大学, 薬学部, 准教授 (00322040)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | エンドサイトーシス / シグナル配列 / 小胞トランスポーター |
研究概要 |
シナプス前性機能素子にはその細胞内局在制御がシナプス伝達に重要であるものが多く、特にシナプス小胞タンパク質は効率よくエンドサイトーシス-リサイクリングされることが必要である。本研究では、培養細胞発現系におけるクラスリン依存性エンドサイトーシス・シグナル配列検索系を新しく構築して、幾つかのシナプス小胞神経伝達物質トランスポーターをモデル分子としてエンドサイトーシス・シグナル配列の探索を行った。Gタンパク質共役型受容体の一つであるムスカリン性アセチルコリン受容体M2サブタイプをレポーター分子として利用し、目的タンパク質の細胞質側領域を各々ムスカリンM2受容体の第3細胞内ループ欠損部位に挿入したキメラ受容体を作製した。これらをGTP水解活性欠損のダイナミン・ドミナントネガティブ変異体共発現下あるいはクラスリン・ドミナントネガティブ変異体共発現下で培養細胞に発現させ、細胞表面のムスカリン受容体のみに結合する親水性リガンド[3H]NMSを用いたリガンド結合実験によりダイナミン依存的あるいはクラスリン依存的な定常的エンドサイトーシスの解析を行った。予備実験として高親和性コリントランスポーターCHT1や小胞アセチルコリントランスポーターVAChTの細胞質側領域を検討したところ、C末端領域に既知のエンドサイトーシス・シグナル配列を確認することができた。次に、シグナル配列がよく知られていない小胞GABAトランスポーターVGATの細胞質側領域を検討したところ、N末端領域において新しいエンドサイトーシス・シグナル配列を同定した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
エンドサイトーシス・シグナル配列検索系を構築すると共にその有効性を確認できたため、順調に進展していると考える。
|
今後の研究の推進方策 |
今回新しく見出した小胞GABAトランスポーターVGATのエンドサイトーシス・シグナル配列について、その変異体の機能解析や相互作用分子の同定などにより詳細な分子機能を明らかにする。
|