HLA-G による妊娠時の免疫抑制機能解析には、MHC分子進化や胎盤形成の進化速度が速いため、霊長類モデルの作製を必要とする。そこで非ヒト霊長類コモンマーモセットを霊長類妊娠免疫モデルとし、胎盤トロフォブラストでのヒトHLA オーソログの発現と母体の免疫系との相互作用の解析を行った。 まず、野生型の母体に形成されたGFP 発現マーモセットの胎盤を用いることにより両者の識別を可能とし、母体脱落膜および胎仔絨毛組織それぞれよりトロフォブラストを分離し、胎盤に発現する古典的・非古典的マーモセットMHC を同定した。分泌型HLA-Gオーソログは妊娠母体末梢血の血漿中に検出されなかった。
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