本研究では各種がん手術検体(原発・転移)から迅速かつ高効率に個別がん患者ゼノグラフト(individual Cancer Xenograft, iCX)を作出するプロトコールを検討した。これらのiCXでは継代毎の病理組織学的変化や遺伝子学的変化が極めて少ないことを確認した。大腸癌肝転移例iCXにおいてin vitro抗がん剤感受性を実施したところ、臨床経過と良好な相関が認められた。また、ゼノグラフトのオミクス解析結果から大腸癌の肝転移にZNF185の関与が示唆され、臨床検体で検討したところ転移予測因子として有用であることが明らかにした。iCXは個別化医療・癌基礎的研究への有用性が示唆された。
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