本研究ではヒトマスト細胞、好塩基球が生体内で分化するNOG IL-3/GM-CSF Tgマウスを用い、ヒトアレルギー反応を起こすモデルマウスの確立を目的としている。スギ花粉症患者血清と花粉抽出液によるPCA試験を行ったところ、Tgマウスの皮膚組織においてヒトマスト細胞の脱顆粒に伴う顕著な反応が見られた。また当該TgマウスにさらにIL-5遺伝子を導入したIL-3/GM/IL-5トリプルTgマウスを作製し、これらの気管内にHDMを投与したところ、肺組織への好酸球浸潤を認めた。以上の結果から、本ヒト化マウスは抗アレルギー薬開発の前臨床モデルとして有効である可能性が示唆された。
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