研究課題
癌の進展と転移には腫瘍微小環境における免疫細胞が重要な役割を示す。本研究の目的は患者サンプルと担癌マウスモデルを用い腫瘍細胞に浸潤している免疫細胞に注目し、腫瘍内の炎症パターンや免疫細胞の種類、または様々な炎症反応の発現レベル(特に抑制性サイトカイン、メディエーター)を解析し、腫瘍の進展に伴って誘導される慢性炎症の役割を明らかにしていく。1.大腸癌より得られたマイクロアレイの解析からいくつかの新しい知見を得ている。(1)癌組織へのマクロファージの浸潤を予後不良因子となりえるが予後良好群に集積するマクロファージも発見した。(2)大腸癌網羅的遺伝子発現解析により免疫学的に3つのクラスターに分けられことが判明しそれぞれ治療効果、予後、再発率に差が認められた。2.マウスのMDSCはTLR9 LigandであるCpG DNAの刺激によって抗腫瘍効果をもつマクロファージに分化することを報告した。さらに我々は癌患者からMDSCを分離し解析を行いTLR7/8 Ligandの刺激で抗腫瘍効果をもつマクロファージに分化誘導できることを発見し報告した。3.マウスを用いたトランスレーショナルな研究から癌細胞を早期に認識し、IL-4を産生するユニークなT細胞群を発見した。このT細胞群が腫瘍微小環境を形成するのに重要な役割を果たしていることも判明した。この実験から抗IL-4抗体が癌免疫療法に使用できることを確認した。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 5件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件) 図書 (2件)
Chemotherapy
巻: 61(5) ページ: 262-268
Intern Med
巻: 55(6) ページ: 629-634
10.2169/internalmedicine.55.5796.
巻: 61(3) ページ: 111-116
10.1159/000441551.
Vaccines (Basel).
巻: 3(2) ページ: 390-407
10.3390/vaccines3020390.
J Immunol
巻: 194(9) ページ: 4215-4221
10.4049/jimmunol.1402004.