子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルスのE7は、98アミノ酸からなる小さなタンパク質である。宿主細胞中の様々な分子と結合しており、その中でもUBR4は約5800アミノ酸からなる巨大タンパク質である。本研究により、E7はUBR4上のUBR box領域を介して結合している事が示唆された。この領域は、UBR4の生体内での役割に関係している。次に、UBR4を人工的に欠損した細胞中でのE7タンパク質の性状を検討した。UBR4を欠損した細胞中では、E7タンパク質は顕著に不安定化していた。これらの結果から、E7はUBR4と複合体を作り安定化し、ウイルスの発癌活性に影響を与えている可能性が考えられた。
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