大腸がん・膵がん・乳がん・胃がん・食道がん症例のがん組織について解析したところ、50~70%の症例でMieap制御性ミトコンドリア機構が異常をきたしていることが明らかとなった。また、その結果として、ほぼ100%の症例でがん細胞特異的に多量の異常ミトコンドリアの集積を認めた。このミトコンドリアからは高いレベルの活性酸素種(ROS)が産生されており、この異常ミトコンドリア由来ROSはがん細胞の遊走及び浸潤活性を顕著に促進させた。以上の結果から、Mieapは生体内の低酸素がん微少環境下においてミトコンドリアの品質管理を介して、がんの増殖・浸潤・転移を抑制している可能性があると考えられる。
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