浸潤突起は癌細胞により形成される細胞膜構造であり、束化されたアクチン繊維を基本骨格に持ち、細胞外基質を分解することにより癌浸潤を促進する。本研究では、癌悪性化に関わるアクチン束化タンパク質アクチニン-4の機能を解析した。アクチニン-4は浸潤突起に局在し、アクチン構造の形成と細胞外基質分解に必要であることが分かった。またアクチニン-4の過剰発現により浸潤突起形成が促進されたが、この作用にはアクチン束化活性を担うアクチン結合ドメインが必要であった。従って、アクチニン-4は浸潤突起においてアクチン繊維を束化するタンパク質であり、癌浸潤・転移において重要な役割を果たすことが示唆された。
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