研究課題/領域番号 |
25430129
|
研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
佐久間 圭一朗 愛知県がんセンター(研究所), 分子病態学部, 主任研究員 (90402891)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | がん / 転移 / 上皮間葉転換 / シアリルルイス糖鎖 |
研究実績の概要 |
研究代表者は、上皮間葉転換(EMT)を誘導した大腸がん細胞は、転写因子c-Mycの活性亢進を介して、シアリルルイス糖鎖の発現が増加することを報告した(Sakuma K, et al; PNAS, 2012)。本研究課題では、この現象を制御する分子の同定を通して転移抑制薬の標的分子を見出すことを目的に研究を進めている。平成26年度は、EMTにおけるc-Mycの活性亢進機序を研究した。 1. c-Mycをリン酸化する酵素の同定 c-MycのSer62リン酸化は、c-Mycタンパクを安定化することで活性を亢進させることが知られている。平成26年度は、EMT下で特異的に発現が増加するセリンスレオニンキナーゼXを同定した。EMTを起こしていない大腸がん細胞にキナーゼXを強制発現してもc-Mycのリン酸化はおこらないことから、キナーゼXはEMT下で発現が増加するだけではなく、何らかの機序で活性化される可能性が示唆された。現在、その機序の解明を進めている。 2. EMT誘導における間質の役割の研究 ヒト大腸がん細胞株HT29に、間葉系マーカーVimentinのプロモーター制御下に蛍光タンパクtdTomatoを発現するベクターを導入し、安定クローンを得た。次年度、この細胞を使ってヌードマウス移植実験などをおこない、EMT誘導にかかわる間質因子を同定する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
やや遅れてはいるものの、内容的には計画通り順調に進行している。
|
今後の研究の推進方策 |
前年度以上にエフォートを投入することで研究スピードを上げ、計画を遂行する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
ほぼ計画通りに使用できており、次年度使用額が残ったとはいえ、ごくわずかな額であった。
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額はわずかな額であり、使用計画に影響を及ぼすものではない。従来の計画通りに使用する。
|