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2014 年度 実施状況報告書

新規バイオマーカーAPC結合蛋白EB1の肝細胞癌発癌進展における分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25430134
研究機関北海道大学

研究代表者

中西 一彰  北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (80374338)

研究分担者 横尾 英樹  北海道大学, 大学病院, 助教 (70399947)
柿坂 達彦  北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (40583092)
神山 俊哉  北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80322816)
武冨 紹信  北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70363364)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード肝細胞癌 / 再発 / 悪性度バイオマーカー
研究実績の概要

【背景】我々は以前にプロテオミクス解析を用いてAdenomatous polyposis coli結合蛋白EB1(以下EB1)が肝細胞癌の細胞株および癌組織切片に高発現していること、悪性度と関連していることを報告した(Fujii et al. proteomics 2005,;Orimo et al. Hepatology 2007)。しかし、そのメカニズムは十分明らかとなっていない。
【目的】EB1と肝細胞癌の臨床病理学的特徴との関連を解析し、肝細胞癌におけるEB1の新規バイオマーカーとしての有用性、ならびに分子機構を明らかにする。
【対象・方法】(1) 1997年から2006年までに当科で行った235例の初発肝細胞癌根治切除症例を対象に免疫組織化学染色を行い、臨床病理学的因子との相関関係を解析。また、予後再発におけるEB1発現の意義を単変量、多変量解析により検討した。(2)肝癌細胞株を用いてEB1の発現をwestern blotにて解析、その中でEB1が高発現しているHLFとHLEを用いて増殖能と浸潤能アッセイを行った。
【結果】(1)細胆管上皮より強く染まる腫瘍細胞をEB1陽性とし、それが腫瘍の30%以上を占める場合をEB1高発現群とした。EB1高発現群は24例、低発現群は211例であった。EB1高発現群は分化度、Alpha-fetoprotein、門脈浸潤と有意な相関関係を示した(各々P<0.05)。また、全生存率はEB1高発現群で有意に不良(P<0.0001)であり、再発率もEB1高発現群で有意に高かった(P<0.0001)。(2)HLFとHLEを用いてsiRNAでEB1の発現を抑制すると、有意に増殖能が低下した(P<0.05)。また、浸潤能もEB1の発現を抑制することで有意に低下した(P<0.05)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

肝細胞癌の臨床検体がすぐに用意可能であったため順調に推移している。

今後の研究の推進方策

肝癌細胞株を用いてEB1は増殖能、浸潤能、遊走能と関連していることがわかったのでそのメカニズムを追求する。具体的に増殖、浸潤に関わる分子を網羅的に調べ、新しいシグナル伝達がないかどうかを明らかにしてゆきたい。
そうすることで新しい治療ターゲットとなりうる可能性を模索できると考えられる。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額は1万円以下でありほぼ使用したと考えている。

次年度使用額の使用計画

成果発表を含め、旅費、物品費に当てたいと考えている。

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公開日: 2016-05-27  

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