質量分析法を用いた高感度スフィンゴ脂質定量系によって、健常者と各がん患者の血中スフィンゴ脂質を定量分析し、特にスフィンゴシン-1-リン酸(S1P)の新規腫瘍マーカーとしての臨床応用性を検討した。平均血漿S1P濃度は健常者410±67 nM、食道がん患者620±129 nM、胃がん患者484±151 nM、肉腫患者491±106 nMであった。食道がん患者血漿中S1P濃度が健常者と比較して有意に高値であることをはじめて明らかにした。さらにメタボローム解析/統計解析を用いるプロファイリングにより、がん病態解析の新規バイオマーカー候補として、特にシスチンの可能性を見いだした。
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