研究課題/領域番号 |
25430137
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
鑪野 秀一 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30624655)
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研究分担者 |
小島 聡子 帝京大学, 医学部, 准教授 (10345019)
関 直彦 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50345013)
榎田 英樹 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (80347103)
中川 昌之 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90164144)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | マイクロRNA / 腎細胞癌 / 腫瘍マーカー |
研究概要 |
腎細胞癌患者で発現が亢進しているmiRNAを指標にして、血液中を循環しているmiRNAを検出し、腎癌の腫瘍マーカーとしての有効性を検討することを目標とする。そのため、癌細胞で発現が亢進・抑制されているマイクロRNAに着目し、まずはそのリストを作成する作業に着手した。その中で初年度は特に癌抑制型マイクロRNAが制御する分子ネットワークを明らかにしてきた。これまでの研究で、miR-135aはよく知られるc-MYC癌遺伝子を制御することや、miR-218はCaveolin-2を直接制御して、癌増殖のシグナル伝達を抑制することを明らかにした。またmicroRNA-200 familyは上皮観葉間転換(EMT)に関わる遺伝子を抑制することが明らかになり、miR-1291やmiR-143/145クラスターはそれぞれGlucose transporter-1やhexokinase-2を制御して癌抑制遺伝子的な働きを有することを明らかにした。次年度に向けて将来の核酸治療に使うマイクロRNAの候補を選別してきた候補となるmiRNAの血中における検出が小径腎癌の診断に有効であるか、また再発・転移の指標になるか、さらに分子標的薬の治療効果の指標になるか検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度はマーカー候補となる遺伝子のリストを作成し、その機能的な解析が進んで、関連の論文を5つ投稿することができた。
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今後の研究の推進方策 |
腎癌患者血中miRNA発現プロファイルを作成して、現在既に得られている腎細胞癌組織中miRNA発現プロファイルと比較し、腎癌に特異的でかつ癌細胞で高発現しているmiRNA(上位10種類程度)について、多数の腎癌患者血液中のmiRNAの発現を測定し健常人との比較を行う。また分子標的薬(Sunitinib、Temsirolimusなど)を投与後の剖検腎癌検体を使用したmiRNA発現プロファイルを作成し、分子標的薬施行前のプロファイルと比較することにより、分子標的薬耐性に関わるmiRNAを選択する。さらに腎細胞癌において感度・特異度ともに優れた腫瘍マーカーの候補が得られた場合、そのmiRNAの機能解析とmiRNAが制御する機能性RNAの分子ネットワークの探索を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験全体は順調に進んでいるが、当該実験の結果の検証作業に予想以上の時間がかかり、3カ月程度の遅れを生じており、次年度への繰り越しが必要となったため。 今年度、上半期までに繰り越した実験を終了できる予定であり、繰越金は消耗品の購入に充てられる。
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