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2014 年度 実施状況報告書

KSRPを標的としたmiRNA制御薬としてのクルクミンアナログの作用機序

研究課題

研究課題/領域番号 25430147
研究機関秋田大学

研究代表者

柴田 浩行  秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50260071)

研究分担者 岩渕 好治  東北大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (20211766)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードクルクミン / メッセンジャーRNA(mRNA) / マイクロRNA(miRNA) / KSRP / 大腸がん / 悪性リンパ腫 / 血管内皮細胞
研究実績の概要

クルクミンアナログがマルチターゲット制御をするのは、KSRPというRNAのプロセッシングに関わる分子とアナログとの結合に基づく作用でないかという仮説に基づいて、様々な癌細胞内でのアナログによるKSRPの挙動の変化、遺伝子発現プロファイルの変化を調べた。大腸がん細胞株DLD-1、悪性リンパ腫細胞株Hut 78、血管内皮細胞細胞HUVECを用いて、メッセンジャーRNA(mRNA)およびマイクロRNA(miRNA)の発現プロファイリングのアナログ処理による変化を調べた。DLD-1では29種類のmiRNAがアナログGO-Y030、GO-Y078によってコントロールの1.5倍以上の発現増強を示した。発現低下を示したmiRNAは無かった。Hut 78においては1,422種のmRNAがGO-Y030、GO-Y078によってコントロールの1.5倍以上の発現増強を示し、129種類のmRNAがコントロールの0.5倍以下に発現低下した。HUVECにおいてはGO-Y030によって、hsa-miR-19b-3pが2.4倍の発現増加。hsa-miR-943が0.47倍と発現低下した。GO-Y078でもhsa-miR-19b-3pが1.5倍の発現増加。hsa-miR-943を含む5種類のmiRNAがコントロールの0.5倍以下に発現低下した。また、36種類のmRNAがGO-Y078によってコントロールの5.0倍以上の発現増強を示し、249種類のmRNAが0.5倍以下に発現低下した。各細胞にビオチン化したアナログGO-Y086を作用させ、GO-Y086ーKSRP複合体の中に、これらmRNA種やmiRNA種が含まれていないか検討を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

解析対象として選択されてきたRNA種が予想以上に多く、これらをどのような選択基準でスクリーニングするかという問題に直面した。一つは機能的な面からの候補スクリーニングであるが、非常に多くの文献検索を余儀なくされており、この点が予想外に時間を要している。また、アナログGO-Y086をバイトとした複合体の抽出において、対照の設定等の条件設定において試行錯誤を必要としているため。

今後の研究の推進方策

KSRP-アナログ複合体がアーチファクトでなく、実際にクライアントとなることが予想されるRNA種のプロセッシングを阻害しているということを明確に示しうる実験条件を設定する。細胞内でKSRP-クライアンRNA種の複合体形成をアナログが阻害している様子を可視化する方法を考案しつつ、実験を進める。

次年度使用額が生じた理由

アナログの制御対象であるKSRP-RNA種の複合体の候補RNA種が2,000種を超える数となり、これらのスクリーニングに文献的考察による選択を行ったが、これに時間を要し、ウェットな実験への移行が遅れたため。

次年度使用額の使用計画

候補RNA種を100種類以下に絞り込んだので、これらのRT-PCRプライマーを作成し、RT-PCRを実践する。現在、25 merのプライマーは1,000円で合成でき、100種類のプライマーの合成に200,000円、そして酵素等の試薬代金が約300,000円と見積もられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 新たな血管新生阻害薬としてのクルクミンアナログの開発2014

    • 著者名/発表者名
      柴田浩行
    • 学会等名
      BIO TECH2014 アカデミックフォーラム
    • 発表場所
      東京ビックサイト
    • 年月日
      2014-05-14 – 2014-05-14
  • [備考] 秋田大学大学院医学系研究科腫瘍制御医学系臨床腫瘍学講座 クルクミン物語

    • URL

      http://www.med.akita-u.ac.jp/~medonco/

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公開日: 2016-05-27  

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