研究課題
末梢血単核球(PBMC)由来CCR4+CD25+CD4 T細胞のCCL22/MDCへの遊走と抗ヒトCCR4抗体(KM2760)添加による遊走細胞の除去を明らかにした。抗ヒトCCR4モノクローナル抗体KM2760は、脱フコシル化された抗体で、抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)が高い。NK細胞などのFcR陽性細胞をエフェクター細胞として、CCR4発現細胞に対し傷害活性を示す。われわれは、まず、末梢血単核球(PBMC)からCD25陽性のCD4 T細胞をソートし、未処理のまま、あるいは、KM2760で処理した後に、EZ-TAXScan装置の一方のチャンバーに入れ、他方のチャンバーには、CCL22/MDCサイトカインを入れて、サイトカイン側への遊走を検討した。ソートした細胞のCCR4発現は、FACSにより確認した。遊走の陽性および陰性対照としては、ADCC活性のない抗CCR4モノクローナル抗体である1G1と抗CD4抗体を用いてソートしたCCR4陽性および陰性のCD4 T細胞を使用した。その結果、KM2760未処理のPBMCからソートしたCD25陽性CD4 T細胞は活発に遊走したが、KM2760で処理したPBMCからソートしたCD25陽性CD4 T細胞では遊走能が減弱した。われわれは、さらに、KM2760がCD4 T細胞のCCL22/MDCサイトカインへの遊走をADCCのエフェクター細胞であるNK細胞が存在しない状態でも直接阻止する効果を有するか否かをトランスウェルプレートを用いて検討した。その結果、KM2760は、CD4 T細胞および静止あるいは活性化抑制性T細胞(Treg)の遊走阻止能は示さないことが明らかになった。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 2件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 1件)
PLOS ONE
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