研究概要 |
グリオーマ患者腫瘍組織より幹細胞培地(human EGF, FGF, LIF+B-27)にて樹立したがん性幹細胞株3種類(GB-SCC010, 026, 028)に特異的に発現する遺伝子をDNA Gene Chip(human Genome U133A 2.0 Array, Affimetrix)を用いて14種類同定した。対照群は、同一腫瘍より血清培地で樹立した細胞株を使用した。同定された14個の遺伝子群は、すべて発現比が10倍以上亢進していた(P<0.01)。これらのうちタンパク質の局在が細胞外であり、NCIのthe Repository of Molecular Brain Neoplasia Data (REMBRANDT) データベース検索にて予後因子となるものを選別した結果、10個の遺伝子に絞り込んだ。この中でYKL-40, Clusterin, Periostinに関してsiRNAまたはshRNAを用いてこれらの遺伝子の幹細胞の生物活性に対する影響を評価した。まず細胞増殖に関しては、YKL-40およびClusterinの発現を抑制した細胞において有意に抑制効果が確認された。今後残りの7種類の遺伝子に関してもsiRNAによる評価を行うとともに、YKL-40およびClusterinについては、NOG-IL-4 Tgマウスを利用したヒト抗体の作製に取り掛かる。
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