研究課題/領域番号 |
25430167
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
堀家 慎一 金沢大学, 学際科学実験センター, 准教授 (40448311)
|
研究分担者 |
目黒 牧子 金沢大学, 学際科学実験センター, 博士研究員 (20304222)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | クロマチンダイナミクス / インプリンティング / 非コードRNA / siRNA |
研究概要 |
15q11-q13領域はゲノム刷り込み遺伝子がクラスターを形成して存在している領域であり,その刷り込み遺伝子の発現異常によりプラダーウィリ症候群やアンジェルマン症候群を発症する。一方,15q11-q13領域の重複は自閉症患者や統合失調症患者で数多く報告されている。これまでの研究で15q11-q13領域における精神発達障害の発症機序の解明に取り組み,15q11-q13領域の遺伝子発現制御には核内における遺伝子の配置が重要な意味を持っていることを見出してきた。しかしながら実際にどのような分子が染色体ゲノムの核内配置や相互作用に関わり,遺伝子発現を制御しているのか,明らかにされていない。そこで本年度は,神経細胞特異的なクロマチンダイナミクスを司る分子を同定するため,ヒトshRNA発現プラスミドをヒト神経芽細胞腫SH-SY5Y細胞にトランスフェクションさせ,DNA-FISH解析により①「PWS-IC領域とCHRNA7領域のシス相互作用」と②「GABRB3遺伝子座における染色体ペアリング」を指標にスクリーニングを行う事とした。ゲノムネットワークプロジェクト「ヒト全遺伝子レトロウイルス型siRNAライブラリー構築」の成果に基づくライブラリーから「転写活性に重要な遺伝子」1,200個を分与頂き,各々からプラスミドを抽出した。また,shRNA発現プラスミドを効率的にヒト神経芽細胞腫SH-SY5Y細胞にトランスフェクションさせる方法を検討した。その結果,リポフェクタミンLTXを用いた方法が最も効率的にshRNA発現プラスミドを導入できることが分かった。現在,一次スクリーニングとして,10個のshRNA発現プラスミドプールを作製しリポフェクタミンLTXを用いてトランスフェクションさせ,DNA-FISH解析により,クロマチン動態に変化のあるものを抽出する作業を行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究の進捗状況として,神経細胞特異的なクロマチンダイナミクスを司る分子のスクリーニングに用いるヒトshRNA発現レトロウイルスベクター,約1200クローンを分与頂き,各々からプラスミドを抽出し,スクリーニングの準備は整えられた。また,予備的実験として,shRNA発現プラスミドを効率的にヒト神経芽細胞腫SH-SY5Y細胞にトランスフェクションさせる方法を検討するなど,概ね順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
スクリーニングとして,10個のshRNA発現プラスミドプールを作製しトランスフェクションさせ,DNA-FISH解析により,クロマチン動態に変化のあるものを抽出する。その上で,クロマチンダイナミクスを司る分子の15q11-q13領域における結合部位の同定を同定する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
shRNA発現プラスミドを効率的にヒト神経芽細胞腫SH-SY5Y細胞にトランスフェクションさせる方法の検討に時間を要したため,予定していたスクリーニングを完全に終了することができなかった。そのため,当初予定していたトランスフェクション試薬や細胞培養用培地等の購入を次年度に繰り越したため。 ヒト神経芽細胞腫SH-SY5Y細胞へのトランスフェクション法は,リポフェクタミンLTXを用いる方法で確立したため,前年度遅れていたスクリーニングを早急に行う予定である。一次スクリーニングとして,10個のshRNA発現プラスミドプールを作製しリポフェクタミンLTXを用いてトランスフェクションさせ,DNA-FISH解析により,クロマチン動態に変化のあるものを抽出する。
|