線虫MT16939は,申請者が新規ncRNAの機能解析を行う過程で得た変異体である。この株はIV番染色体に616 bpの欠失をもつ。この領域には2つのタンパク質遺伝子の一部と一つの核小体低分子RNA(snoRNA)がコードされている。MT16939は精子形成と胚発生、野生株N2の雄を交配させた得た受精卵の形に異常を示す。本研究ではこれらの表現型と3つの遺伝子との関係を明らかにするために9種類の新規線虫株を作製し、遺伝学的解析を行った。その結果、それぞれの遺伝子単独では精子形成は回復しないこと、受精卵の形にはsnoRNA遺伝子が関与することの示唆を得た。
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