研究課題
精製されたヒトの複製フォークの主要な構成因子を組み合わせて、3種の精製DNAポリメラーゼで構成される真核生物型複製フォークの反応過程を再現する。これを使って、機能の異なる3種のDNAポリメラーゼによって真核生物の複製フォークが進行することの生化学的な背景を明らかにすることを目的とする。ヒトDNAポリメラーゼδ、εを精製した。さらに複製フォークの駆動DNAヘリカーゼであるヒトCMG複合体の構成因子11種類をヒトの293T細胞で共発現させ再構築し、DNA ヘリカーゼ活性を有する高度に精製した標品を調製した。これにより精製DNAポリメラーゼとヘリカーゼを組み合わせたDNA合成系の解析が可能となった。ヒトDNAポリメラーゼδ、εの機能様式が区別されるしくみとして、DNAポリメラーゼεに特異的に結合するPCNA装着複合体Ctf18-RFCに着目した。Ctf18-RFCのPCNA 装着活性の詳細な解析により、Ctf18-RFCがDNAポリメラーゼεと複合体を形成した時に、両者が協調的にプライマー DNA 3’末端に結合し、高いPCNA装着が発揮されることを示した。このことから、DNAポリメラーゼε/Ctf18-RFC複合体は、リーディング鎖DNAポリメラーゼの構成要素として機能することを提唱した。さらにこの複合体のリーディング鎖側への能動的なPCNA装着活性を考慮すると、リーディング鎖、ラギング鎖の協調的なDNA合成には、両鎖間で協調したPCNA装着が重要であることが考えられる。
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