蛋白質のフェニルアラニン、チロシン残基芳香環は原子が細密充填した分子内部においてもCベータ-Cガンマ軸周りに反転しており、同反転は蛋白質の大きな構造揺らぎ(large amplitude breathing motion)に伴う分子内の間隙(Cavity)生成に依存する。本課題では、加圧状態における蛋白質中の芳香環反転速度をSAIL(立体整列同位体標識)-NMR法を利用して精密に測定し、反転速度の圧力依存性から構造揺らぎにより生じる間隙の大きさ(活性化体積)を見積もった。本成果は、これまで知見が全くなかった蛋白質の大きな構造揺らぎの研究の礎となると期待される。
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