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2015 年度 実績報告書

シャペロニン反応メカニズムの再検証:円順列変異型GroELの構造・機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 25440026
研究機関鳥取大学

研究代表者

溝端 知宏  鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50263489)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードシャペロニン / ストップト・フロー解析 / 円順列変異 / フォールディング
研究実績の概要

大腸菌由来シャペロニンGroELの蛋白質フォールディング補助分子メカニズムを様々な変異体の解析により再検証することを目指す本研究では,研究最終年に以下の成果を得ることに成功した。
1.シャペロニン内部に「ジスルフィド交換モチーフ」を導入したGroELCXXC変異体の詳細解析:変性蛋白質のフォールディング反応を補助する際,ジスルフィド結合の形成を促進する能力を付加することを目指して作成したCXXC変異体の解析において,研究最終年ではこのCXXC配列モチーフの酸化・還元状態とシャペロニンとしての機能に極めて密接な関連が見いだされた。この点に注目し,フォールディング中にジスルフィド結合の正しい形成が必要な蛋白質のフォールディング反応を利用して野生型GroELと本変異体の効果を比較したところ,わずかながらフォールディング速度において差を確認した。今後は,この差についてより詳細な条件検討と効果確認を実施する予定である。
2.円順列変異体や様々な機能制限変異体を用いたGroELのサブユニット構造変化と機能メカニズムのマッピング解析:蛍光ストップトフロー法で検出しているGroELサブユニットの動的構造変化が蛋白質フォールディング補助メカニズムにおいて果たす役割を解明する研究において,研究最終年ではGroELのATP加水分解活性と強く連動し,GroELの分子メカニズムの「方向性」を決定づける重要な構造変化の同定に成功した.この構造変化はGroELが一度変性蛋白質に結合し,その分子を自身の四次構造内部に隔離した後に,次のサイクルに移行することを決定付け,サイクルの「逆流」を防ぐ重要な役割を担っていることを見いだした。本成果については現在論文発表を準備中である。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (8件)

  • [雑誌論文] Structural basis of Cu, Zn-superoxide dismutase amyloid fibril formation involves interaction of multiple peptide core regions2016

    • 著者名/発表者名
      Ida, M. Ando, M. Adachi, M. Tanaka, A. Machida, K. Hongo, K. Mizobata, T. Yamakawa, M. Y. Watanabe, Y. Nakashima, K. Kawata, Y.
    • 雑誌名

      Journal of Biochemistry

      巻: 159 ページ: 247-260

    • DOI

      10.1093/jb/mvv091

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Anthocyanin suppresses the toxicity of Abeta deposits through diversion of molecular forms in in vitro and in vivo models of Alzheimer's disease2016

    • 著者名/発表者名
      Yamakawa, M. Y. Uchino, K. Watanabe, Y. Adachi, T. Nakanishi, M. Ichino, H. Hongo, K. Mizobata, T. Kobayashi, S. Nakashima, K. Kawata, Y.
    • 雑誌名

      Nutritional Neuroscience

      巻: 19 ページ: 32-42

    • DOI

      10.1179/1476830515Y.0000000042

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] ATPの加水分解が引き起こすGroELサブユニットの動的構造変化2015

    • 著者名/発表者名
      藤井 豊、本郷 邦広、河田 康志、溝端 知宏
    • 学会等名
      第38回日本分子生物学会年会、第88回日本生化学会大会 合同大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2015-12-03
  • [学会発表] アントシアニンによるアルファークリスタリン蛋白質の凝集抑制2015

    • 著者名/発表者名
      下田 香、山下 智、本郷 邦広、溝端 知宏、小林 沙織、河田 康志
    • 学会等名
      第38回日本分子生物学会年会、第88回日本生化学会大会 合同大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2015-12-02
  • [学会発表] ALS発症原因タンパク質SOD1の構造安定性とアミロイド線維形成機構2015

    • 著者名/発表者名
      井田 昌孝、安藤 瑞歩、本郷 邦広、溝端 知宏、河田 康志
    • 学会等名
      第38回日本分子生物学会年会、第88回日本生化学会大会 合同大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2015-12-02
  • [学会発表] 強制テザリング法によるシャペロニンGroELの機能解析2015

    • 著者名/発表者名
      福井 直也、本郷 邦広、溝端 知宏、河田 康志
    • 学会等名
      第38回日本分子生物学会年会、第88回日本生化学会大会 合同大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2015-12-02
  • [学会発表] アントシアニンによる家族性ALS原因タンパク質SOD1 G93Aのアミロイド線維形成抑制2015

    • 著者名/発表者名
      安藤 瑞歩、本郷 邦広、溝端 知宏、小林 沙織、河田 康志
    • 学会等名
      第38回日本分子生物学会年会、第88回日本生化学会大会 合同大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2015-12-01
  • [学会発表] Stopped-Flow characterisation of a mutant chaperonin GroEL with a CXXC motif2015

    • 著者名/発表者名
      Yoko Shima, Masashi Ikeda, Kunihiro Hongo, Yasushi Kawata, Tomohiro Mizobata
    • 学会等名
      第15回日本蛋白質科学会年会
    • 発表場所
      徳島市あわぎんホール
    • 年月日
      2015-06-25
  • [学会発表] Inhibition mechanism of anthocyanin for Alpha-synuclein amyloid fibril formation2015

    • 著者名/発表者名
      Seki Lee, Kazuya Hirakawa, Kunihiro Hongo, Tomohiro Mizobata, Yasushi Kawata
    • 学会等名
      第15回日本蛋白質科学会年会
    • 発表場所
      徳島市あわぎんホール
    • 年月日
      2015-06-25
  • [学会発表] Effect of GroEL Apical Domain on the Aggregation of alpha-Synuclein2015

    • 著者名/発表者名
      Bimlesh Ojha, Kunihiro Hongo, Tomohiro Mizobata, Yasushi Kawata
    • 学会等名
      第15回日本蛋白質科学会年会
    • 発表場所
      徳島市あわぎんホール
    • 年月日
      2015-06-25

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公開日: 2017-01-06  

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