研究課題/領域番号 |
25440036
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
生城 浩子 大阪医科大学, 医学部, 講師 (10280702)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | スフィンゴ脂質 / 酵素 / フモニシン / セリンパルミトイル転移酵素 |
研究実績の概要 |
①フモニシン合成系のkey enzyme であるFum8pの大量発現:昨年に継続してフモニシン合成系の初発反応を触媒するFum8pの大腸菌内発現系の改良を試みた.大腸菌株と発現ベクターの組み合わせを変え,培養方法の工夫を検討したが,可溶性タンパク質の大量発現には未だ劇的改善は見られていない.タンパク質の疎水性度を上げる原因と目されるN末領域の欠失変異体を作成し,欠損型タンパク質の大量発現の条件検討を行ない,現在も継続中である. ②フモニシン合成系のもう一つのkey enzyme であるFum13pの大量発現:フモニシン合成系の2段階目の反応を触媒するFum13pの大腸菌内発現系を構築した. ③セリンパルミトイル転移酵素SPTについて:真核生物SPTに関しては大腸菌内発現系で可溶性タンパク質としての収量が一定しないため,条件検討を重ねている.組み換えタンパク質の精製には至っていない.細菌SPTに関して高分解の結晶構造解析データの測定に成功した.再現性が低いので,結晶化実験を継続している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題の一番の困難は組換えタンパク質の発現系構築のステップである.特にFum8pに関しては初年度に解決できなかった発現系構築の問題が未だ解決できていないため,次年度の進捗状況にも影響を及ぼしている.Fum13とSPTについては計画に沿って実験進行中であるものの,初年度の計画達成度の影響を受けている分,遅れを生じている.
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今後の研究の推進方策 |
Fum8pに関してはN末領域の欠失変異体の培養条件を検討し,可溶性画分に大量発現するよう工夫する.改善しない場合には発現ベクターの再構築からやり直す. 真核生物SPTに関しては培養条件を詳細に検討し,発現系の改良をさらに進める.原核生物SPTについては結晶構造解析をさらに進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
組み換えタンパク質の発現系構築が難行している理由から,それらを用いて行なう酵素活性測定や結晶構造解析に十分に取りかかることができず,基質やスクリーニングキットの購入費に計上していた試薬代が次年度使用額として繰り越す結果となった.
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次年度使用額の使用計画 |
組み換えタンパク質の発現系を改良するための人工遺伝子作成代金,培養条件を最適化するための培地,あるいは大腸菌以外の発現宿主を試すためのキットや試薬の購入費用に活用する予定である. また,発現系構築に成功したタンパク質の精製用試薬,器具,活性測定,結晶化スクリーニング,構造解析に必要な試薬,器具類の購入に使用する.
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