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2015 年度 実績報告書

乱れた脂質非対称の感知および修繕機構

研究課題

研究課題/領域番号 25440038
研究機関北海道大学

研究代表者

小原 圭介  北海道大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (30419858)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード細胞膜 / 脂質 / 脂質非対称 / Rim101 / センサー / アルカリ / 酵母
研究実績の概要

平成27年度は、引き続き(1)脂質非対称センサーRim21の徹底解剖、および(2)脂質非対称が乱れた際にその細胞応答過程で中心的な役割を担うOpt2の解析、を行った。
(1)脂質非対称センサーRim21の徹底解剖
センサーモチーフを内包するRim21のC末端細胞質領域(Rim21C)の解析を引き続き行った。私達が同定したセンサーモチーフに変異を導入したRim21変異タンパク質は、センサー複合体の形成や細胞内局在には異常を示さず、脂質非対称を感知する素過程に直接的に関与することを示唆した。また、脂質非対称の変化に伴って起こるRim21Cの細胞膜からの解離について、顕微鏡画像からその程度を定量化した。ここまでの結果を総合し、投稿論文および学会発表として発信した。さらに、センサーモチーフと負電荷を有する脂質との相互作用に際して、ホスファチジルエタノールアミン(PE)がその結合力を増強する効果を有していることを見出した。PE自身は電荷を有していないが、プロトン受容能の持つアミノ基を有しているため、負電荷を有する脂質の脱プロトン化が促進し、その負電荷が強調されたためだと考えられる。 結合した脂質およびそれを増強したPEは、そのほとんどが細胞膜では内層側に存在し、センサーモチーフと相互作用できる位置関係にある。したがって、実際の細胞内でもこの様な作用が起きていることは十分に考えられる。
(2)Opt2の解析
Opt2のフロップ活性を直接的に検出するin vitro系の構築を行った。その結果、Opt2を含むゴルジ体由来の膜小胞を作製・精製することに成功した。現在は、この精製系を用いてOpt2のフロップ活性の検出を試みている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] The C-terminal cytosolic region of Rim21 senses alterations in plasma membrane lipid composition: Insights into sensing mechanisms for plasma membrane lipid asymmetry2015

    • 著者名/発表者名
      Nishino K, Obara K, and Kihara A
    • 雑誌名

      J Biol Chem

      巻: 290 ページ: 30797-30805

    • DOI

      10.1074/jbc.M115.674382.

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Rim21は細胞質領域の荷電アミノ酸残基を用いて細胞膜の脂質非対称を感知する2015

    • 著者名/発表者名
      西野佳菜子、小原圭介、木原章雄
    • 学会等名
      第38回日本分子生物学会年会・第88回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      神戸コンベンションセンター(兵庫県神戸市)
    • 年月日
      2015-12-01 – 2015-12-04
  • [学会発表] 脂質非対称センサーRim21はERストレスを感知して適応反応に寄与する2015

    • 著者名/発表者名
      小原圭介、木原章雄
    • 学会等名
      第38回日本分子生物学会年会・第88回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      神戸コンベンションセンター(兵庫県神戸市)
    • 年月日
      2015-12-01 – 2015-12-04
  • [学会発表] Mechanism for sensing lipid asymmetry of the plasma membrane and external alkalization.2015

    • 著者名/発表者名
      Obara K, Nishino K, and Kihara A
    • 学会等名
      27th International Conference on Yeast Genetics and Molecular Biology (ICYGMB)
    • 発表場所
      Levico Terme (Italy)
    • 年月日
      2015-09-06 – 2015-09-12
    • 国際学会
  • [学会発表] ユビキチンとESCRT複合体による細胞膜脂質非対称および外界アルカリ化シグナルの伝達2015

    • 著者名/発表者名
      小原圭介、西野佳菜子、木原章雄
    • 学会等名
      第67回日本細胞生物学会大会
    • 発表場所
      タワーホール船堀(東京都江戸川区)
    • 年月日
      2015-06-30 – 2015-07-02

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公開日: 2017-01-06  

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