本研究はストレス応答シグナルの細胞内活性化動態およびその生理的役割を明らかにする目的で行った。その結果、細胞内p38キナーゼ活性の①炎症性サイトカイン刺激が細胞質のp38活性化の振動現象(オシレーション)を誘導すること、②p38オシレーションの周期によって下流の炎症遺伝子の発現効率が制御されることを見出した。さらに③p38活性化をシグナル経路を介さずに可視化と同時に活性誘導できる実験系を構築した。本研究により明らかになったp38分子の新しい活性化動態およびその制御機構の解明は炎症シグナルの解明および関連するがんや神経疾患を制御する新しい方法の開発に貢献できると考えられる。
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