ヘムオキシゲナーゼ(HO)は、細胞内のヘムを分解し、シグナル伝達物質としても注目されている一酸化炭素を生体内で生成する唯一の酵素である。本研究では、HO活性のタンパク質レベルでの制御機構を解明することを目的とし、その細胞寿命とそれを決定する因子の探索を試みた。その結果、1)HEK293細胞をプロテアソーム阻害剤で処理すると、HOの分解が抑制され細胞内寿命が延びること、2)HEK293細胞にHOとユビキチンを強発現させるとHOが高度にユビキチン化されることを見出し、3)質量分析法、酵母Two-hybrid法、cDNAアレイ法により、HOと特異的に結合するユビキチンリガーゼTRC8を同定した。
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