研究課題/領域番号 |
25440058
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
細見 昭 独立行政法人理化学研究所, 糖鎖代謝学研究チーム, 協力研究員 (60525864)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ERAD / glycoprotein / yeast |
研究実績の概要 |
本研究は、真核細胞の基本的なタンパク質分解機構である小胞体関連分解(ER-associated degradation; ERAD)をより理解するために、酵母において、ERADで機能すると考えられる未知のエンドペプチダーゼを同定し、その機能を調べることを目的にしている。これまでの解析で、プロテアソームに運ばれる前に異常タンパク質が切断されていることを示すデータを得た。そして、エンドペプチダーゼの候補としてメタロプロテアーゼSte24を発見したので、Ste24の解析を進めている。平成26年度に行ったエンドペプチダーゼの同定に関する成果を以下に示す。 平成25年度に明らかにした結果を論文にまとめた(Biochimica et Biophysica Acta 1850 (2015) 612-619)。その要旨は、①これまで関与が明確でなかった糖鎖脱離酵素Png1がERADのモデル糖タンパク質であるCPY*の糖鎖を切断すること②CPY*が未知のエンドペプチダーゼによって切断されて中間体(50kと30k付近の2つのサイズ)が生じること③50kの中間体が400から404番目の5アミノ酸の一部もしくは全部が切断に重要であることである。 400から404番目のアミノ酸を一つずつのアミノ酸を置換した変異体を作製したが、1アミノ酸レベルでの切断部位の同定は出来なかった。したがって、現時点では切断されるためのコンセンサス配列はその存在も含めて明らかでない。また、他のERADモデル糖タンパク質であるPrA*の中間体の検出を試みたが、検出できなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CPY*の切断部位を明らかにして論文にまとめることができた。
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今後の研究の推進方策 |
ERAD基質の切断を多方面から明らかにするために、CPY*以外のERAD基質の探索を行ったが見つからなかった。ゆえに、今後はCPY*のみを使ってエンドペプチダーゼの同定と機能解析を試みる予定である。Ste24遺伝子と他のプロテアーゼ遺伝子の多重破壊株の解析を行い、エンドペプチダーゼを同定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
最終年度での使用が見込まれたので、試薬等の購入を無理に行わなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
酵母培地試薬の購入に充当する予定である。
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