研究実績の概要 |
2015年度よりの継続内容: 1) CAPN7-Tgマウスより採取した臓器について、組織染色の結果を整理するとともに、プロテオーム解析結果との対応づけを試みた。遺伝子型に対応した表現型、及びそれを説明できるようなタンパク質の極端な発現変動を見出すことはできなかった。 2) CAPN7の発現を培養細胞以外の系(in vitro 翻訳系など)で行い、活性が検出できるかを試みた。自己分解活性、基質分解活性ともに、定法のカルパイン活性測定条件では見出すことができなかった。 3) 培養細胞発現系と大腸菌由来のビオチン化酵素変異体(BirA)とを利用し、CAPN7の近隣に存在した可能性があるタンパク質の検索を引き続き行った。COS7細胞(内在性のCAPN7が、この実験系での検出限界以下)を用いた結果より、複数のタンパク質を特異的にCAPN7と共局在を示す候補として同定した。この中に、別の実験系により相互作用が報告されているタンパク質を含まれることから、さらに候補を絞って物理的な相互作用検討を進めるとともに、CAPN7ノックアウトMEF細胞での挙動の解析を行って近日中に結論を出すことを目指している。 上記1,2に関連して、COS7細胞において過剰発現させたCAPN7の活性依存的に変動するタンパク質の検討を行った。この系においてはCAPN7を含む複数のタンパク質がプロテアーゼ活性依存的に減少することが検出される。実験系の原理が異なるものの、3)の結果との整合性を考慮して、相互作用するタンパク質とCAPN7との共発現系において、プロテアーゼ活性の変動を検討することにした。根本的な研究課題である、ノックアウトマウスの早期致死性については単一原因を明確にするには至っていないが、遺伝子改変マウスの表現型の解析結果と合わせて、今後の方向性を絞れるように論文を準備している。
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