カルパインは、ほぼすべての真核生物で保存されている細胞内システインプロテアーゼの一種である。ヒトでは15の遺伝子から構成されるスーパーファミリーとして存在する。その中で、カルパイン7は唯一、酵母からヒトに至るまで保存されている。 カルパイン7のホモノックアウトマウスは、一見正常に出生するが生後約一日で死亡するという興味深い表現型を示す。そこで、カルパイン7の機能は出生後の環境適応に重要であるという視点から研究を行い、生理機能の解明を目標とした。本研究期間においては、致死性の完全な回避にはプロテアーゼ活性が必要であるが、非プロテアーゼとしての機能も考慮する必要があることが示唆された。
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