タンパク質を構成するプロリン残基の異性化反応は、タンパク質の構造形成と機能発現に重要である。本研究は、シス型プロリン残基をもつ分泌タンパク質の品質管理における異性化の役割解明を目的とした。以前我々がシス型プロリン残基4個の存在を見出したADAMTS13-MDTCSドメインをモデルタンパク質として利用した。培養細胞およびマウスを用いた実験から、MDTCSドメインの分泌には小胞体cyclophilin Bによるプロリン異性化が重要であることが分かった。また、少なくとも一部のcyclophilin Bは小胞体関連分解(ERAD)タンパク質複合体と結合し、ERADに関与することが示唆された。
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