生体分子の局所的温度制御および温度計測を行うことで、生体分子機能を操作することを目指し、カーボンナノチューブ(CNT)へのレーザー局所照射を用いた温度制御をシステム開発した。リニア型の生体分子モーターを用いた計測では、レーザー照射に伴う速度変化を可逆的に誘導することに成功した(平均で約10℃の温度上昇に相当)。CNTに沿った速度分布結果と有限要素法による熱拡散計算から三次元的温度分布を計算し、水中におけるCNTの熱伝導率を見積もることにも成功した。また、バクテリアべん毛モーターを用いた計測では、CNTへのレーザー光照射は、活性酸素の局所濃度制御にも有用であることも示唆された。
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