本研究は、アルツハイマー病の主要な原因と知られるタウタンパク質の神経原線維変化(NFT)の形成を標的とし、このNFTの形成抑制、また、その結果としての微小管の安定化とアルツハイマー病の発症抑制を目指した。この目的のため、近年明らかになってきたプロリン異性化酵素FKBP12とPin1とタウタンパク質との特異的な相互作用に注目した。本研究では、まず、両プロリン異性化酵素の活性部位に網羅的変異を導入し、プロリン異性化活性の向上に成功した。さらに、Pin1の機能の大幅な改変に取り組み、タウタンパク質が有するpS/pT-Pモチーフも標的とするプロリン残基指向性プロテアーゼ活性の創出に成功した。
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