研究概要 |
1.T4ファージgp34C末端ドメインの結晶構造解析 申請時に得られていたgp34C末端ドメインの結晶の結晶化条件を検討し、回折データ収集可能な品質の結晶を得ることができた。この結晶を用いて、放射光施設で回折データを収集し、分子置換法により1.9Å分解能の結晶構造を得ることができた。その結果、配列からは不明であったファージ尾繊維蛋白質に共通の構造モチーフが存在することが分かった。 2.PP01ファージgp37, gp38複合体の発現系の構築 PP01ファージのgp37C末端断片, gp38, 尾繊維シャペロンgp57Aの3つの蛋白質を大腸菌で共発現する系を構築した。その結果、gp37C末端断片, gp38は共に可溶性画分に発現し、発現したgp37C末端断片はC末端から約120残基付近で、プロセシングを受けることが分かった。また、切り離されるC末端120残基はK1FファージendoNF蛋白質と同様のメカニズムで、分子内シャペロンとして働いていることが示唆された。 3.PP01ファージgp37, gp38複合体の精製・結晶化 上記、発現系を用いて大量発現したgp37C*-gp38複合体を精製し、各種クロマトグラフィーを用いて精製を行った。その結果、この複合体はgp37C*:gp38が3:1の化学量論をもつ(gp37C*)3-(gp38)1であることが分かった。精製した複合体の結晶化スクリーニングも行い、微小な結晶を得ることができた。
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