1.T4ファージgp34C末端ドメインの結晶構造解析:(全体)T4ファージ近位尾繊維蛋白質gp34C末端ドメインの様々な長さの発現系を作成し、726番目からC末端までの構造、に続きgp34のC末端ドメイン745番目からC末端までの構造を結晶構造解析により決定した。(最終年度)決定したT4ファージgp34のC末端ドメイン745番目からC末端までの結晶構造の精密化を行い、726番目からC末端までの構造と合わせてPDBに登録し、論文投稿した。 2.その他T4ファージ尾繊維蛋白質:(全体)gp34以外の尾繊維蛋白質については、配列類似蛋白質を利用して尾繊維のヒンジ部分のみの発現系作成を試みたが、いまのところ期待された複合体は得られていない。 3.PP01ファージレセプター結合蛋白質(RBP)gp38:(全体)gp38の単独発現系を作成したところ、不溶性となったため、gp37C末端ドメインならびに尾繊維シャペロンgp57Aと共発現したところ、可溶性蛋白質複合体として得ることができた。このgp37-gp38複合体を精製後、結晶化を試みたところ微結晶が得られたが、構造解析には至っていない。そこで、この複合体の酵素消化を試み、可溶化したフラグメントgp38C末端ドメインを得ることができた。(最終年度)このC末端レセプター結合ドメイン(gp38C)の発現系を構築した。結合能評価のためにそのN末端に緑色蛍光蛋白質を融合したGFP-gp38Cの発現系も合わせて作成した。この発現系を用いて大量発現したgp38CならびにGFP-gp38Cを各種クロマトグラフィーを用いて精製を行い、電気泳動で単一バンドになる精製標品を得た。このgp38Cの結晶化スクリーニングを行ったが、構造解析に適した結晶は得られていない。
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