蛋白質には特定の立体構造を保ったまま相互作用して凝集する例が見られる。このような凝集は多くの病気にも関連している。また同時に NMR などの分光学的解析を妨げる原因にもなっている。そのような凝集が自発的に起こる物理的メカニズムを解明し、それを阻害するような化学修飾法を開発することを当研究の目的とした。腸球菌のバンコマイシン耐性に関与する酵素 VanX を対象とした。おもに NMR を利用して二量体としての立体構造を解析した。その結果、VanX は濃度を上げるにつれて四量体へと凝集していくことが示された。さらに pH に応じて、その凝集の程度が変わることも分かった。
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