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2013 年度 実施状況報告書

C型肝炎ウィルス増殖に関わる膜輸送メカニズムの解明に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 25440077
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大阪大学

研究代表者

伊藤 敬  大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (50373270)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードHCV / Rab33B / Atg16L1 / 膜輸送 / オートファジー
研究概要

C型肝炎ウィルス(HCV)は、肝硬変、肝癌の発症率を上げるという危険性にも関わらず、その増殖のメカニズムはほとんど明らかになってない。膜で自らのゲノムを包み込むHCVが増殖する際には、宿主細胞の膜輸送システムを上手く利用している事が知られているため、本申請では細胞内膜輸送を司る低分子量Gタンパク質RabとHCV増殖の関係を明らかにする事を目的としている。また、過去にHCV増殖との関係が報告されているRab33Bは申請者によってオートファジー必須因子であるAtg16L1との結合が示されている。近年、細胞内自食作用であるオートファジーとHCV増殖との間にも深い関係があることが示唆されており、Rabタンパク質の中でも特にRab33Bの解析を行なう事で、膜輸送、オートファジー、HCV増殖という三者の関係を明らかにできると考えている。ヒト肝癌細胞であるHuh7を用いたHCVの感染、増殖実験系を使い、Rab33B, Atg16L1のHCV増殖への関与を調べた。予想に反して、Rab33BのノックダウンではHCVの増殖にほとんど影響が見られなかった。また、Atg16L1のノックダウンがHCVの増殖に与える影響も非常に限定的であり、現在までのところ過去の報告の再現性を取る事ができていない。得られたデータからは、Rab33BやAtg16L1がHCVの複製に大きな寄与をしているとは考え難く、系の変更か、作業仮説の変更を検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

過去の文献の再現性が得られず試行錯誤が続いたため、満足のいく達成度は得られていない。また、職場の移動に伴い実験環境が変化したため、実験の推進に大きな影響があったことも要因としてあげられる。

今後の研究の推進方策

計画に記した通り、Rab33Bのみに着目するのではなく、すべてのRabタンパク質に関してHCVの複製への寄与を検証してゆく。網羅的な解析を行なう上で、一次スクリーニングとして、HCVタンパク質との共局在性の検証を行なう。共局在性が得られたRabに関してはノックダウン実験や、活性型、不活性型変異体Rabを発現させる事によってHCV複製への影響を調べる事で、Rabの関与がどのようなものかを明らかにしていく。
同時に、Rab33BやAtg16L1の関与が限定的にしか見れない事に関し、その原因を調べていく。HCVの増殖過程では、HCV構成タンパク質の細胞内膜輸送に基づいた輸送が行なわれていると考えられるが、その個々のタンパク質がどのように細胞内を運ばれ、最終的に完成したHCVに組み立てられるのかは、多くの部分が謎である。Rab33BやAtg16L1のHCV複製自体への関与は限定的であるかもしれないが、個々のタンパク質の輸送過程を詳細に解析する事で、Rab33BやAtg16L1の関与を明らかにできると考えている。

次年度の研究費の使用計画

小額だったため。
通常の消耗品の購入に用いる。

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公開日: 2015-05-28  

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