本研究では、細胞癌化に結びつく染色体末端融合の制御分子機構の解明を目指した。本研究によって、テロメア機能が破綻した際、染色体末端領域クロマチンのユビキチン化状態が、S/G2細胞周期で有意に抑制されていた。その結果、クロマチンのユビキチン化を標的に集積する染色体末端融合の必須因子である53BP1のテロメアへの集積が抑制され、S/G2細胞周期で染色体末端融合が抑制されていることを明らかにすることができた。また、テロメア保護の中心因子であるTRF2分子が直接テロメア領域のクロマチン(コアヒストン)と結合して染色体末端を安定化する新しい分子機構についても明らかにした。
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