研究課題/領域番号 |
25440081
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
古川 和広 新潟大学, 自然科学系, 教授 (40229109)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ラミン |
研究概要 |
Aタイプラミン遺伝子の変異により、ヒトではエメリ・ドレフュス型や肢帯型などの筋ジストロフィーと呼ばれる遺伝病が発症する。しかし、その機構はまったくわかっていない。私たちはモデル動物として頻用されているショウジョウバエを用い、Aタイプラミンの変異により、筋肉組織の健細胞ではじめに機能異常が生じることを明らかにしている。本申請では、健細胞内でAタイプラミンにより形成される複合体を明らかにし、そして、それがAタイプラミンの変異によりどのように変化し健細胞の構造と機能に影響を与え、筋肉組織が機能不全を起こすか、解明する。 これまでの研究からショウジョウバエでAタイプラミンをノックアウトするとSpectraplakinと呼ばれる細胞骨格に属するShortstopタンパク質の構造が健細胞質で構造が維持できなくなり、細胞の力学的強度が低下し筋肉組織の形状が維持できなくなることを見いだしている。核内の骨格であるAタイプラミンと細胞骨格であるShortstopを繋ぐLINC複合体は核膜内に存在するインターフェイスである。LINC複合体のSUNタンパク質であるklaroidおよびspag4およびKASHタンパク質であるKlarsichtおよびMSP-300タンパク質の singleおよびdouble変異体変異体を用い解析を行ったが健細胞細胞質のShortstopに異常が見られなかったことからAタイプラミンは他のリンカーによりShortstopの機能を制御していることを確定した。新規のリンカータンパク質を同定するため、Shortstop欠失型変異体およびAタイプラミンの欠失型変異体およびドメインシャッフリング型変異体を作製して、リンカー分子の相互作用ドメインを解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Klaroid、spag4、KlarsichtおよびMSP-300各種変異体を用いた筋肉組織形成・維持および健細胞でのShortstopタンパク質の構造解析、および新規リンカーを同定するためのShortstop欠失型変異体およびAタイプラミンの欠失型変異体およびドメインシャッフリング型変異体を作製は順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
Shortstop欠失型変異体およびAタイプラミンの欠失型変異体およびドメインシャッフリング型変異体を野生体およびAタイプラミンの欠失変異体内の各組織で発現させ、表現形を細胞および組織レベルで解析することにより、核タンパク質のどのタンパク質領域が核膜インターフェイス相互作用ドメインかを明らかにする。
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