研究課題
Aタイプラミン遺伝子の変異により、ヒトではエメリ・ドレフュス型や肢帯型などの筋ジストロフィーと呼ばれる遺伝病が発症する。しかし、その機構はよくわかっていない。ショウジョウバエではAタイプラミンをノックアウトすると健細胞の構造安定化に必要である細胞骨格タンパク質、Shortstopタンパク質の構造が異常になることを見いだしたのでShortstopの機能を詳細に解析した。Short stop タンパク質からチューブリンやカルシウムに結合するドメインや、他の骨格と相互作用すると考えられているplakin またはspectrin repeatドメインと呼ばれる機能ドメインを欠失させると、チューブリン、カルシウム、plakin ドメインを欠失させたShort stopは核膜上に沿った強い蓄積と細胞質に繊維状の骨格を形成した。spectrin repeatドメイン欠いたShort stopは核膜および細胞質には分布せず核内の核小体に異常に蓄積した。spectrin repeatドメインからのみなるタンパク質を発現させると発現初期に核膜上への選択的蓄積が見いだされ、その後細胞質で繊維状の構造を形成した。以上からspectrin repeatドメインは核膜および繊維状の構造形成に重要であり、またspectrin repeatドメイン以外のドメインに核内の成分と相互作用するドメインが存在することが示唆された。またドメインシャッフリング型Aタイプラミンの変異体を作製し、健細胞の機能を解析した結果、Aタイプラミンのtailドメインが健細胞の構造維持に重要であることが明らかになった。
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Chromosoma
巻: - ページ: 1-20
10.1007/s00412-007-0101-0