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2013 年度 実施状況報告書

mRNA核外輸送受容体サブユニットp15のRNA認識機構

研究課題

研究課題/領域番号 25440083
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大阪大学

研究代表者

片平 じゅん  大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (30263312)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード核-細胞質間輸送 / 遺伝子発現制御 / RNA
研究概要

核膜を有する真核細胞では、様々なRNAやタンパク質の核-細胞質間輸送は、遺伝子発現において必須の過程であり、多くの生命機能発現のための基礎となる。また、ある種の病原体は、宿主の核-細胞質間輸送装置を利用して、その生活環を全うすることが知られている。したがって、核-細胞質間輸送過程は、感染症制御の標的にもなり得る可能性がある。このようなことから、輸送過程に関係する因子群の構造・機能を詳細に解析し、核-細胞質間輸送の分子メカニズムを明らかにすることは、基礎生物学的な研究として重要であるばかりでなく、創薬などの応用研究を進めていく上でも有用な情報を提供できる可能性がある。
本研究では、mRNA核外輸送の分子メカニズムの解明を目指し、輸送受容体ヘテロダイマーとモデル輸送基質RNAの相互作用機構の解析を行なった。また、輸送受容体ヘテロダイマーとモデル輸送基質RNAとの三者複合体の結晶構造解析を行なうために、大腸菌における輸送受容体ヘテロダイマーのリコンビナントタンパク質の発現系を確立するとともに、大量発現および精製条件の至適化を行なった。得られた輸送受容体ヘテロダイマーのリコンビナントタンパク質を用いて、1000を超える結晶化条件のスクリーニングを行ない、有望な条件をいくつか得ることができた。さらに、輸送受容体ヘテロダイマーとモデル輸送基質RNAとの三者複合体を再構成し、同様に結晶化条件のスクリーニングを行なった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

輸送受容体ヘテロダイマーの発現の至適化を完了し、質・量的に構造解析に用い得る試料が得られた。現在までに、輸送受容体ヘテロダイマーについては、約3.6オングストロームの解像度の構造データが得られている。一方、積み荷RNAを含む三者複合体では、高解像度の構造データは、まだ得られていない。また、これまで数種類のRNA変異体を作製し、ゲルシフト法で輸送受容体ヘテロダイマーとの結合を解析したが、RNA側の結合ドメインの特定には至っていない。

今後の研究の推進方策

今後は、RNA側の結合部位の特定に向け、RNaseT1フィンガープリンティング等の手法を用いて、より詳細な解析を行なう必要がある。また、主としてRNAの構造の不安定さが原因となり、輸送受容体ヘテロダイマーとRNAの三者複合体については、高解像度のデータが得られていない。次年度以降は、RNA側に構造を安定化するような変異や修飾を導入し、構造データの改善を試みる。

次年度の研究費の使用計画

理由
研究の進捗状況に応じて、できるだけ無駄のないように研究費を執行した結果、本年度は当初の見込み額と執行額が異なった。
使用計画
次年度以降も、本年度分も含めて研究費を執行し、計画通りに研究を進める。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Human TREX component Thoc5 affects alternative polyadenylation site choice by recruiting mammalian cleavage factor I.2013

    • 著者名/発表者名
      Katahira, J., Okuzaki, D., Inoue, H., Yoneda, Y., Maehara, K. and Ohkawa, Y.
    • 雑誌名

      Nucleic Acids Res.

      巻: 41 ページ: 7060-7072

    • DOI

      10.1093/nar/gkt414.

    • 査読あり
  • [学会発表] 輸送受容体Tap-p15ヘテロダイマーによる積み荷RNA認識機構2013

    • 著者名/発表者名
      片平じゅん
    • 学会等名
      日本分子生物学会 ワークショップ
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20131203-20131206
  • [学会発表] ヒトTREX複合体構成因子Thoc5はCFImのリクルートメントを介してポリアデニレーション部位選択に関与する2013

    • 著者名/発表者名
      片平じゅん、奥崎大介、井上仁美、米田悦啓、前原一満、大川恭行
    • 学会等名
      染色体ワークショップ
    • 発表場所
      箱根
    • 年月日
      20131125-20131127

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公開日: 2015-05-28  

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